2021/10/1金曜サロンスペシャル 稲城から世界へ‼INAGINE

 第156回の金曜サロンスペシャルは、長峰在住で、音のアーチスト花見省輝さんを話し手にお迎えしました。
今回は、インタビュアーに稲城青年会議所副理事長の鈴木誠さん、イラストレーター・絵本作家のYOSSANをお迎えして、インタビュー形式で行いました。

 【嵐を呼ぶ男】
 当日は台風16号の影響で日中は風雨が強く、金曜サロンスペシャルの開催も危ぶまれましたが、開催1時間前には雨も上がり、予定通りの開催となりました。
 開始早々、禅僧のいで立ちで颯爽と現れた花見さん。右手に持った錫杖(しゃくじょう)をジャラジャラと鳴らしながら、ゆっくり歩を進めて講師席に着かれました。
 静まり返った会場では、一体これから何が始まるのか?といった別の意味での緊張感が走りました。パフォーマンスは全て花見さんによる演出でしたが、台風は過ぎ去ってもなお、今日の金曜サロンスペシャルに嵐の予感を感じました。

【花見さんのプロフィール】
 花見さんは、現在、長峰に在住し、二児のお父さんでいらっしゃいます。
 15歳の時に学業と並行して非常に厳しい修行で知られる鎌倉の建長寺で修行僧として出家し、その時に太鼓に出会いました。17歳の時、厳しい修業と学業を両立する中、お寺にある太鼓が「心を伝えるために必要な物」であることを学びました。
 現在は、日本太鼓協会所属の太鼓奏者であり、世界を股にかけて様々なアーチストやミュージシャンの方々と音の作品を手掛けて活躍されています。
 国内でも最近、日本を代表するブルースギタリスト/和琴奏者である高谷秀司(たかたにひでし)さんと伊勢やまと舞のやまとふみこさんと舞台にて共演されたばかりです。
 花見さんの活動のすべてはボランティアが基本です。災害で大変な思いをしている方を応援するために太鼓を打ったり、高齢者施設・障がいのある方の施設での演奏等が中心になっています。現在は、日本国内外を問わず音を通しての交流をしています。
 そして、多くの被災地にいち早く足を運び、ボランティアとして災害復旧のために尽力されています。また、太鼓や篠笛などを演奏して被災された人たちを元気づける活動も同時に展開しています。
 花見さんにとって太鼓は、やんちゃで手のかかる子どものような存在ですが、人に心を伝える熱い楽器であり、今後も太鼓を通じて国際交流や被災地支援を展開していきたいと話しています。


【花見さんは修行僧としてなぜ出家したのか】
 花見さんは中学校卒業前にプロのミュージシャンを目指し、ヤマハのポプコンなど、数多くのコンテストに応募しましたが、その夢が叶わず、また、私生活でも当時はいろいろな悩みを抱えていた時期でした。
 お金も持たずに家出をし、パン屋さんからパンの耳をもらったりしながら飢えをしのぎ、段ボールを巻いて路上で寝て過ごすような日々が続きました。
 ミュージシャンを目指すどころか、自分がその日に生きていくことさえできなくなると感じた花見さんは、夢を捨てて修行僧としてどこかのお寺にお世話になろうと思い立ちました。
 浅草からいろいろな寺を尋ね歩き、「歩けるところまで歩き、もし、受け入れてくれる寺がなかったら命を絶とう」とまで考えていたそうです。
 道すがらたくさんのお寺を訪ね歩きましたが、行く寺、行く寺で断られ続け、そして、鎌倉の建長寺前にたどり着いた時、疲れと空腹からついに行き倒れて気を失ってしまいました。
 結果として、倒れている花見さんは建長寺の僧侶に助けられ、以降、建長寺の修行僧として面倒をみてもらうことになりました。

【INAGINEとは】
 「 INAGINE」というネーミングは「稲城人」とジョンレノンの「イマジン」をかけたもので、 YOSSAN が考案しました。 YOSSAN は古くからこのネーミングをしたためていましたが、「稲城から世界へ」がテーマのYOSSANの絵の原画展に、花見さんが来訪された際、YOSSANに「稲城から何か世界に発信できないか」という話を持ちかけたところ、YOSSANがこの造語を提案したことから端を発します。
 「INAGINE」は「稲城から世界へ」稲城の魅力を発信するプロジェクトであり、稲城市民や稲城に想いがあって活動している人たちが平等に素敵に輝けるようになれるようにという思いが込められています。アーチストやミュージシャン、その他各分野で活躍されている方々が、稲城から世界へ多くのメッセージを発信してほしいと願っています。今回の花見さんの講演は「INAGINEプロジェクト」の第1弾になるそうです。

【和太鼓奏者になるきっかけ】
 建長寺で命を拾ってもらう前には、音楽をやりたかったことを思い起こし、お寺の中にある仏具の「音」に興味を持ったことが太鼓の演奏につながったそうです。空間の中には実はいろいろな周波数による音が存在していて、仏具や仏教儀式の中にもヒーリング型の周波数が存在します。僧侶100人が一斉に般若心経を唱えた時には、花見さん自身、そこから発する周波数に鳥肌が立ったそうです。
 お寺に置いてある仏具は周波数の役割を助けるためのものであり、アーチストの心得のある人が修行僧になるとその感覚は普通の人以上に敏感に感じるのではないかということでした。

【なぜ太鼓を用いて世界とつながろうとしたのか】
 被災地に太鼓を持ち込むきっかけとなったのは、東日本大震災のあと、福島県の原発被害のあった地域でお祭りをして人を集めたいという思いから始めたそうです。ミュージシャンの坂本龍一氏が「福島県の原発事故の後に沈黙しているのは野蛮だ」という発言があったのもきっかけとなりました。
 国内ではその他に徳島の阿波踊りの連と共演したり、2014年には富士山の世界遺産登録を期に太鼓をかついで富士山の1合目から頂上まで登頂し、富士山パワーを音と共に被災地へ送るプロジェクトを展開しました。
 海外ではフランスやイタリアの音楽イベントに参加されています。

【短い言葉で自己紹介するとしたらどう表現するか】
 花見さんご自身は自己紹介する際にはミュージシャンではなく音のアーチスト」と自己紹介されています。

【終わりに】
 YOSSANはフェイスブックの中で花見さんを「反骨精神の塊のような方」、「運命を切り開き、そして出会いによって開かれた方」と評しています。
 YOSSANの言う花見さんの「反骨精神」がどのような背景で育まれてきたのか、そしてこの「反骨精神」こそが「人間・花見省輝」を作り上げてきた大きな原動力になってきているということもお話の中で理解ができました。
 今回の金曜サロンスペシャルでは時間の都合もあって、「音」に焦点を当てた内容に時間をとられ、花見さんのボランティアにまつわるお話をあまり聞く時間がなくなってしまったのはとても残念でした。
 花見さんは、時には僧侶としての顔、アーチストとしての顔などを持つ多才な方ですが、東日本大震災をはじめ、国内で災害が起きた時、数多くの現場にいち早く駆け付け、復旧ボランティアに携わってきました。
 「災害に負けるな」と被災地の人たちにエールを送るが如く太鼓を叩いているその姿こそ、反骨精神の塊である花見さんの真骨頂であり、花見さんにとって最も輝いている時間なのではないかと感じました。
 いつか機会があったら花見さんにボランティアのお話をゆっくり聞いてみたいと思います。(Y.OGAWA)


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金曜サロンスペシャルの様子はYouTubeにもアップしております。
ご興味がある方は、是非ご覧ください。