市民活動フォーラム 2015



テーマ:「食べてつながる」

日時:2015年12月6日(日)

場所:地域振興プラザ4階 会議室

 

毎年開催している市民活動フォーラム、昨年度までの3年間は「人と人が出会う まちの縁側づくり」がテーマでした。その成果を総括したのが、このほど発行した冊子、「ヒト・コト・モノが行き交う場所 稲城の縁側BOOK」です。

 

それが一区切りで、今年度からどんなテーマにしようかと実行委員会で話しあった結果、決まったのが「食べてつながる」でした。

食べるということは、私たちが生きていく上での原点です。にもかかわらず、あまりにも日常的で、特別なことでないため、フォーラムではなかなか取り上げにくいテーマでした。

でも、「まちの縁側」を取り上げてみて気付いたことは、みんなが集う場を楽しく盛り上げる演出の一つとして、食べたり、飲んだりすることがとても有効だということでした。そのことで人と人とがフランクに繋がり合えていることが分かったからです。

実行委員会の話し合いでは、他にも様々な視点が出されました。

例えば

一人で食事をする子どもやお年寄りが増えているっていうけど、なくしたいね。(孤食の解消)

稲城の野菜農家とつながりたい。(地産地消)

スローフードって大事。家庭の味を大切にしたい。(作って食べる・家庭の味)

味噌などの保存食を作ってみたい。(伝統食・手づくり)

みんなで作って食べたい。(集って食べる。家びらき)

みんなが気軽に集まって、作ったり、食べたりできる場が欲しい。(場の確保)

 

以上のような視点も踏まえながら、今年度は、「食べてつながる」をテーマに、みんなで深めてみようということになりました。

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カフェタイム(12時〜13時)

カフェタイム1
カフェタイム2
昨年までのフーラムの楽しい雰囲気を踏襲するために、②の講演会が始まる前に、カフェタイムを設けました。協力していただいたのは、「支え合う会みのり」の有志の皆さん(コーヒーとケーキ)と、「いな暮らし」さん(おにぎりとおでん)でした。

おかげで参加者同士がすっかり打ち解け合うことができ、リラックスした雰囲気で本番に臨むことができました。

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講演会「学校でも、家庭でもない、その2つを結ぶ地域活動」

   講師:大村みさ子さん

      (子ども村:中高生ホッとステーション代表)

大村さんアップ
地域で様々な活動を行っている大村さん、その一つが区から依頼されて行っている学びのサポート事業です。そこで学習支援を続けているうちに、子どもたちには、他にももっといろいろな支援が必要だということに気付きます。

中学生・高校生の時期は、成長していく上で重要な時期(心身の成長や知識を習得する時期)です。にもかかわらず、次のような要因で、学習面や経済面で適切な援助を受けられない子どもが多く見られるということでした。
・仕事のために夜遅くまで親が不在

地域とのつながりを持たない中で生活している(上記の理由もあって)

印象的だったのは、大村さんの次のコトバでした。

「子どもの面倒をみる代わりに、お金を渡してディズニーランドに遊びに行かせる親もいる。それってお金でディズニーランドに遊んでもらうこと、子育てをサービスとしてお金で買う、っていうことですよね」

そうそう、ファミレスでの食事やコンビニ弁当しか食べさせてもらえない子どもたちにも通じる課題ですよね。
講演の様子

大村さんは、そうした子どもを支援していくために、家庭でもない、学校でもない、その二つを結ぶ「地域」が必要と考え、「ホッとステーション」を立ち上げたのだそうです。

大村さんは自身のことを、「行政の制度にのらない子どもたちの心配をする『おせっかいおばさん』だ」とおっしゃっていましたが、地域づくりには、そういう方の存在が大事なのですよね。


「ホッとステーション」の立ち上げ方がまた、とても参考になりました。

まず「この指止まれの旗」を立てる。その上で、こんな会を立ち上げたいのだけど「困った!」と言いふらすのだそうです。「一緒に立ち上げようヨ」「一緒に困ろうヨ」といったように・・・。

そんなふうに、立ち上げの時からみんなに呼びかけ、相談して仲間を募ることが大事だと言います。
いま「ホッとステーション」のメインの活動は、週1回、10代から70代の人たちが、大家族のように一緒に夕食を食べながら、寄り添う人間関係を作っています。大村さんの「困った!」に共感して集まった仲間と子どもたちです。


なぜメイン活動が「夕食を食べながら」になったのか、そのことについては次のように説明しています。

他所の活動を視察した時に、食の匂い、色、ワクワク感が良かった。幸せな感じがした。

しかも「食」は教養でもあり、ファミレスやコンビニにないメニューを、子どもたちも参加して作ることに意義がある。

                

最後に平成26年度の活動報告の説明をしてくれましたが、面白いと思ったのは、参加者の延べ参加者数が、子ども565人、大人576人と、なんと大人の方が多かったということです。

子どものため活動と言いながら、この場所が子どもだけでなく、大人の居場所にもなっているということです。

そのことについて大村さんは次のように総括しています。

・「寄り添うことの心地良さ」「排除されない安心感」がここにはある。

スタッフには多様な人がいます。ある時期自身がつまずいた人もいます。そういう人が親代わり、兄や姉が代わりになって子どもたちに寄り添っている。

そのことで子どもたちは、自分は大人になっても、このままの自分であっていいのだという安心感が得られている。

・私自身が楽しみだし、スタッフの誰もがときめきながらこの活動にかかわっている。

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トークカフェ

参加者が、6つのグループに分かれて、それぞれの食卓の思い出を皮切りに、食べてつながるにはどうすればいいかを話し合いました。

トークカフェ1
トークカフェ2
トークカフェ3
トークカフェ4
また実行委員会では、フォーラムの前に、プレ・ワークショップ(ちゃぶ台キャラバン)を2回開催しましたが、それをファーラム終了後も継続的に開催することを考えており、参加者がどんなことをしたいかについても提案していただきました。

話し合われた内容については現在整理中ですが、その中の幾つかでも実現できたらいいなァ〜と思っています。

特に「ちゃぶ台キャラバン」については、継続して開催していく予定でいますので、皆さんの参加をお待ちしています。


【ちゃぶ台キャバン】

フォーラムのプレ・ワークショップとして2回開催しました。

◯1回目:8月22日「作って食べるギョウザの会」、地域振興プラザ3階にて

◯2回目:11月15日「稲城の野菜で芋煮会・農家さんと語ろう」、喫茶ポーポーの木(平尾)にて

どちらの会にも、初参加の方が半数ぐらいおりましたが、一緒に作っているうち参加者同士がとても打ち解けて、とても盛り上がりました。一緒に作って食べることの楽しさも実感することができました。

1回目はプレ・ワークショップという標題で、試験的に始めたのですがとても好評でした。

ただし名称については、「プレってなに?」「ワークショップってなに?」「分かんない!」という声が寄せられたので、2回目は「ちゃぶ台キャラバン」と名称を変えて開催しました。そのお陰で、いろいろなアイデアが寄せられるようになりました。
▼作って食べるギョウザの会 

ギョウザ2
▼稲城の野菜で芋煮会
芋に会1芋に会2
「ちゃぶ台キャラバン」は、その都度、場所や内容を変えて、2か月に1回程度開催していく予定いますので、こんなことをやってみたいといアイデアがありましたら、ぜひサポートセンターまでお寄せください。

ぜひ一緒に、食べてつながりましょう!

                                                       (文責:小林)